逆  杉(さかさすぎ)(鹿原)(かわら)24

 国道27号線を東に走り金剛院入り口信号をすぎたころ左は田んぼがつづく。その田んぼの中に、杉の木が左右に八bものびてこんもりしている。小さいほこらのお宮さんがまつってある。地上にでた根より三本の幹が出ている。一本の幹の太さは八十aはあるだろう、おもしろい杉の木だ。

 

 今から千三百年程前【孝徳天皇朝の年号白鳳十三年十月十四日】に、このあたりいったいに大地震があったそうな。青葉山に大きな地割れが出来て、水がふき出し、沢山の大木が水に流されたそうな。松、杉、桧(ヒノキ)の大木も流れてきたんだって。田んぼいったいは岩石や木でうまってしまったのじゃ。いきおいあまって、そして志楽の川にまで流されたのじゃ。ところがあの杉は根だけが残りおとて、その根から芽をだしあのようになったのじゃ。生命あるものは、力いっぱい努力して太陽の力水の力であのようになったのだと、人間も生きている以上は老若(ろうにゃく)とわずがんばらんといかんのじゃ。

 

地質時代 数百万年前 青葉山の噴火