博奕岬 (ばくちみさき)   (瀬崎)(せざき)18

 むかし、むかしこのみさきに名がついていなかったとき、竜神(りゅうじん)とクジラの大王が出会ったと。二人とも日ごろから自分が一番強いと思っていたんや、おたがいにしまんのいいあいをはじめたそうな。クジラ王は「おれは世界の大海をまたに泳いでいる、深い海でももぐることもできるのや、オレより大きい魚はいない」。竜神は 「あたしは大空を高くとべるのや、速さだってだれにも負けたことはない」と、どちらもじまんの話はつきなかったのや、うでずくできめようということになったのやけど、竜神さまは女の神様なのでちえくらべをすることになったのや。
 
 浜の近くにころがっている黒と白の石を使い、いごでしょうぶすることになったのや。どちらもたいへんに、ごがつよくしょうぶは長引きなかなかきまらなかったのや、なん年も、なん年きまらんかったのや。しまいにはどうなったかわからんのやって。このときからこのみさきを博奕岬(ばくちみさき)というのや。この近く瀬崎(せざき)の海岸は北は白色の花崗岩(かこうがん)と南はあんかっしょくの輝緑岩(きりょくがん)で、まん中で線をひいたように別れている。風土記では二石崎とかかわっている。

一言 関西電力火力発電所建設 敷地面積103万u
    石炭年間使用量390万t 出力180万KW