むかし、むかし、
ある日、村人がおたかさに、米をかりに行きました。おたかさんは小さなマスではかり、村人にかしました。こんど返してもらうときは大きなマスではかります。ですから米はたまるばかりです。村人は、ひどいやりかただと知りつつも、しかたなく、おかたさんに米をかりにいきます。町から米買いの人がやって来ても、マスのはかりかたはおなじで、いつもケンカするように、いいあらそいます。そんなわけで、村人は、はたらいても、はたらいても、くらしが楽にならなりませんでした。
村人は、おかたさんに、何度も、何度も、マスを同じにしてくれるようたのみましたが。おかたさんはガンとして聞き入れてくれませんでした。それである夜のこと、村人はみんなで、クワや竹ヤリを手に手に、おたかさんのやしきへおしよせました。おたかさんは、ビックリしてにげまわりました。でも、とうとうつかまりよこばらを竹ヤリでさされてころされました。おかたさんは死ぬ前に「わたしが悪かった。これからは、お腹が痛い人は、わたしがなおしてあげる」といっていきを引き取りました。村人はあわれんで、西屋の入り道の上にある畑の中に「おかたやしき」と、いうところに小さなおどうをたてました。
それいらい、お腹のいたい人が、おかたさんの小堂へお参りすると、ふしぎにもお腹のいたいのがなおるといわれています。
所有管理 | 観音寺 |
指定 | 市指定文化財 |
区分 | 工芸品 |
制作時代 | 鎌倉 |
作品 |